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名作は思う存分リメイクを!松本清張の『顔』から『ドラえもん のび太と鉄人兵団』まで

松本清張の『顔』がテレビ朝日開局65周年記念のスペシャルドラマとして三が日に放送されました。※2024年1月23日に書いたやつです。

松本清張の『顔』、何度もリメイクされてますよね。原作を読んだことがない人でも、実写化を見たことない人でも「松本清張」「顔」というワードは知ってる人が多いと思います。
最初は何回リメイクされてるか調べてみようと思ったんですよ。で、Wikipedia見てみたらですね、なんかもうえげつない量がでてきて、あっけなく心が折れました。

何度も実写化されてきた『顔』ですが、今回は現代版へと大胆にリメイク。最近何かと話題の「覆面アーティスト」を題材に、リベンジポルノ、DV、暴露系動画配信者など、現代社会の闇もふんだんに盛り込まれた内容になっていました。

 

 

個人的に、あんな動画撮って脅してくるようなクズ男は正直どうでもいいので、私は完全に武井咲の味方でした。

なので後藤久美子武井咲の顔を思い出したとき、もうちょっと迷いというか、警察に通報することに対して葛藤してほしかったです。

だって引きこもりになって心を閉ざしてる後藤久美子の娘を立ち直らせたの武井咲ですよ?ほぼ無関係なのに、覆面アーティストとして人気を誇ってるのに素顔で、新曲まで聴かせてやったんですよ?
ついでにその後も仲良くしてたし、娘を追い詰めた男を後藤久美子が殺そうとした時に止めたんですよ?そんで一緒に、眠ってるその男をゴミ置き場に放置したんですよ?
あの、キャスター付きの椅子に武井咲が乗って後藤久美子が押して2人で笑った、あの夜のことはもういいのか?

武井咲が初めて顔出しで歌番組に出た際に、後藤久美子は殺人犯である彼女の顔を思い出したわけなんですけど、スタジオ出たら後藤久美子が立ってて、尚且つそこで既にパトカーのサイレン聞こえてました。

もう警察に言ってたの?早くない?
娘救ってもらったのに容赦ねーな。

そしてどうしても拭えなかった、上川さんの「遺留捜査」感。

さて、長くなりましたが、まさかのここから本題です。(ほんとです)


こういうリメイク作品って、ケチつける人多すぎないですか?
松本清張はあの昭和感がいい、とか
〇〇が主演をやった『顔』原作の雰囲気が出ていた、とか
現代版にアレンジする必要はない、とか

何度もドラマ化されすぎて、どの『顔』がOKでどの辺りの『顔』が気に入らないか不明ですが、個人的にはいい作品は何度でもその時代にあったリメイクをしていいと思っています。
その中で、昭和版のリメイクをしてもいいし、現代に合わせたリメイクをしてもいい。
だって昭和の空気感が欲しいと言う人と同じくらい(おそらくそれ以上に)、昭和の空気感のものは見ないと言う人だっていると思うからです。

もっとこういう人が演じたらもっとよかったんじゃないかなーという感想はそれぞれあるかもしれませんが(私もあるっちゃありますが)、それでもここまで大幅に現代版へとアップデートさせても残る「松本清張」の力、貫禄みたいなのを垣間見ることが出来たんじゃないかと思います。

さて、リメイクと言えば、『ドラえもん』の映画はリメイクが多いですよね。
私は子供の頃映画に連れて行ってもらったりすることはなかったので、子供ができてから初めて『ドラえもん』の映画を見たんですけど、傑作多々あります!

その中でも特に好きなのが2011年に公開された『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』です。

いやー、『ドラえもん』すごいですよ。
普通に大人が泣けます。
そんじょそこらの悲恋のラブストーリーとか見るよりよっぽど心打たれると思います。

コロナ禍にprime video様が『ドラえもん』映画の一挙放送をしていると知り、prime videoデビュー。外に出られなかった時期に、それはそれはお世話になりました。

『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』を初めて見た時は号泣。
その後も見るたびに泣いてしまう名作です。

北極で、巨大なロボットの足と謎の青い球体を拾ってきたのび太。その青い球体に導かれるように、なんと次々とロボットの部品が家の庭に降ってきた!
ドラえもんのび太は「鏡面世界」で部品を組み立て、巨大ロボット「ザンダクロス」を完成させる。ところが、のび太の街にロボットの持ち主だと名乗る「リルル」という不思議な女の子が現れる。実は「ザンダクロス」と「リルル」はロボットの星「メカトピア」から地球を征服するために送り込まれたのだった…。
果たして、ドラえもんのび太たちは、地球を救えるのか…。

もうね、ラストが…!
自分のことより友達の幸せを願える気持ちってなんて尊いんでしょう。
自己犠牲の精神は正しいことだとは思わないんですけど、自分たちに優しくしてくれた相手を不幸にして戦いに勝っても幸せになれないし、これから起こる戦いも間違えたものだとわかってる。そんな時にあの2人(ロボットだけど2体とは呼べない)が、のび太たちのためにあんな風にお別れを言ってくれたこと、思い出すだけで涙が…(電車の中で書いてるのに)

これ、「新」って付いてることからもわかると思うんですけど、1986年に公開された『ドラえもん のび太と鉄人兵団』のリメイクです。

これ見た時に「リメイク」って意味があるなって思ったんですよ。やっぱり昔のは画質も悪いし、今のアニメを見ている子供たちにとっては絵も含めて少し違和感あったりするんですよね。


でもそんな理由でこの作品を子供が見ないのはもったいない!!!
「今」のドラえもんで過去の名作を届けるのはとても意義があると思いました。


めちゃくちゃ感動した私は誰かと感動を分かち合いたくて、映画のレビューサイトを見ました。

そしたらですね、旧作の方がいい、という書き込みが結構あったんです。

ピッポはいらない」
「オリジナルの方がいい」
「なんのための改変?」
「面白さ半減」
「新キャラで最後の感動が薄れた」

……まじか。旧作はそんなにいいのか、と涙を拭く私。どれだけ旧作は素晴らしいものなのかとワクワクして早速旧作を見ました。



結論。私、リメイク版の方が好きでした。



だって旧はピッポがいないんですよ!(わかる人だけわかってください)
私は新しい方を先に見てしまったので、もうピッポがいないということが受け止められない。

え?ピッポいないの?
いた方がのび太くんとの友情も描けて良くない?
(っていうかスネ夫のロボットってこんな重要なキャラだったの?)

ということで、上がりに上がっていた期待値のせいか、旧作を見て多少なりともがっかりしてしまいました。
リメイク版のBUMPの主題歌も好きです!
(旧作ファンの方、落ち着いてください!)

何が言いたいかと言うと、最初に見たものへの印象や感動が強いのは当たり前で、後から見るものを「こちらの方がいい!」と思わせるにはよっぽどのものが必要になるということです。
なので、あんまり「旧作の方がいい!」「リメイクなんてしないでほしかった」なんてリメイク作品に対して目くじらを立てなくていいんじゃないの?という気持ちです。

どんなに素晴らしい作品だとしても、旧作のままだったら見ない人がたくさんいるわけですし、リメイク作品を見たことによって、旧作を見る人だっていますから。

名作は思う存分リメイクしたらいい!!!!
名作は何回でも擦っていこう!!!!

おしまい。

 

細田守監督の『時をかける少女』もめちゃくちゃいいですよね〜。実写とアニメという違いもそうですけど、大林宣彦監督の『時をかける少女』とは全くの別物。
全くの別物でどっちも最高。