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映画『サマータイムマシン•ブルース』とヴィダルサスーン

好きな脚本家は何人かいますが、上田誠もその1人です。昨年の夏、10月スタートの連続ドラマ『時をかけるな、恋人たち』の脚本が上田誠という記事を見て、あまりの嬉しさにテンションが一気に200%くらい跳ねあがりました。しかも主演が瑛太なんて。
すいません、泣いていいですか?

上田誠×瑛太と聞いて勢いよく振り向いた人は『サマータイムマシン•ブルース』が好きな方だと思います。2005年の映画、本広克行監督、上田誠脚本、瑛太主演のSFコメディです。
もし万が一観ていないのならば今すぐ観てください。今すぐ、可及的速やかに、多少忙しくても時間を捻出してできれば夏の間に観ていただきたい。それが『サマータイムマシン•ブルース』です。

 

(あらすじ)夏休み中のとある大学。SFに興味のない“SF研究会”の男子学生たちは、部室のクーラーのリモコンを壊してしまう。翌日、暑さに文句を言う部員たちが部室に戻ってみると、そこには何故かタイムマシンが!彼らは壊れる前のリモコンを取りに昨日へ戻ってみることに…

 

上田誠は劇団「ヨーロッパ企画」の主宰で、全ての舞台の脚本、演出を担当しているそうです。『サマータイムマシン•ブルース』はその舞台の一つで、本広監督が惚れ込んで映画化となりました。
私はタイムトラベルものが好きなので洋画邦画問わずよく観るのですが(普段は断然邦画派です)、『サマータイムマシン•ブルース』はタイムトラベル史上、最上級にくだらないタイムトラベルをする映画の1つです。映画のキャッチコピーもまさに「タイムマシン ムダ使い」。

タイムトラベルものって、時を超えて一生に一度の恋をするとか、大切な誰かの死を防ぐとか、自分が死ぬ運命を変えるとか、もっと言えば世界を救うとか、そういう大きいことに繋がる話が多いじゃないですか。それももちろんいいですし、私も大好きです。でも『サマータイムマシン•ブルース』は、壊れた部室のリモコンを巡って昨日と今日をいったりきたりしているシーンがほとんど。タイムマシンという飛び道具を使ってこんなコメディを作ったことは尊敬の念に堪えません。
大笑いできる一方、この映画はタイムトラベルによって起こってしまうタイムパラドックスについて綿密に考えられてるんで、実は何が起こっていたのかの種明かしに「そこ繋がってんのね!」「お前だったんかい!」「ええええ?!」という驚きもあってタイムトラベルもの好きにはたまらない映画です。


それでも、タイムパラドックストロールの方は、じゃあ〇〇の部分はどうなんだとか言ってくるかもしれないんですけど、パトロールの皆様、もうそういうこと言うのはやめませんか?タイムトラベルものはどうしたって矛盾が生じます。私も矛盾点オンパレードのタイムトラベルものは嫌いですし、そういう話を見ると、おいおいおい!と悪口が止まらなくなります。タイムトラベルものを扱う場合、礼儀として少なくともある程度のタイムパラドックスは解決すべきだと思ってます。
でも!考えられる限り解決してくれている作品についてはそれ以上突き詰めないでもらいたい!だってそれ以上は無理なんです。そんな小さいことを言ってないで、この映画は素直に笑って、素直に「おおー!」と感心して欲しい。その方が幸せになれます。

 

さて、映画の中でヴィダルサスーンのシャンプーが出てくるんですけど、この映画をこよなく愛している私は近所のスーパーや薬局での販売がなくなるまで買い続けました。現在使っているヘアアイロンヴィダルサスーンです。
ヴィダルサスーンのシャンプーが髪にいいとかトリートメントで髪がサラサラになるとか、正直そんなことはどうでもいいんです。ヘアアイロンだって、他を使ったことがないんで使いやすいかどうかも髪に負荷をかけていないかもわかりません。レビューだって見てません。私はただ、この映画に出てきた「ヴィダルサスーン」を使いたい。新見が使ってた「ヴィダルサスーン」を使いたい。ただそれだけです。
企業各社の皆様。こうしてプロダクトプレイスメントは成功します。
ヴィダルサスーン関係者の皆様。安心してください。私はずっとヴィダルサスーンに愛着を持って生きていきます!

笑えて、伏線回収が見事で、なんとなく切なくもあるこの映画。
天空の城ラピュタ』や『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』などのジブリ作品をまだ観たことがない人がいると「これから初めて観れるなんて羨ましい!」とよく思うのですが、同じくらい『サマータイムマシン•ブルース』をこれから初めて観る人が羨ましいです。
1週間の仕事を終え、子供の寝かしつけも終えた金曜日の夜、面白い映画が見たいときによく思います。疲れているから難しい話や暗い話は見たくない。何も考えずに笑って見れる映画がいい。嫌な奴が出てこなくて、ちょっと伏線回収とかあって、おおってなれたら更にいい。うん、たとえばーー『サマータイムマシン•ブルース』みたいな映画が見たい。
何度そう思ってきたことか!!!!

これ、瑛太初主演の映画なんですけど、びっくりなことに当時無名だったムロツヨシの映画初出演作です。
私はこの映画のSF研修会メンバーのことが全員大好きなので、ちょい役でもテレビや映画に映ると「あ!新見だ!」「曽我ー!!」とストーリーそっちのけでSF研メンバーの活躍を喜んでしまいますし、正直、その後のムロツヨシがここまで売れる過程も全て見てきた自信があります。

ちなみに、DVD(今はBlu-rayもあるそう)特典でついている本広監督と上田誠のオーディオコメンタリーもめちゃくちゃ面白くてお勧めです!普段私はあまりオーディオコメンタリーの必要性を感じてないのですが、普通に見ていたら気が付かないようなところにまでに気づけて、これがオーディオコメンタリーなのかと『サマータイムマシン•ブルース』のおかげでその魅力を理解できました(翌日、興奮しながら映画を見ていない友達にオーディオコメンタリーで知った裏設定を力説したら、え?何言ってんの?みたいな顔されました)。

そんな『サマータイムマシン•ブルース』の瑛太上田誠の連続ドラマが見れるなんて!しかも「タイムパトロール•ラブコメディ」!
とめちゃくちゃ嬉しかったです。

『時をかけるな、恋人たち』はカンテレ•フジテレビ系で放送でした。さすがカンテレ。信頼のカンテレ。必ずやってくれるカンテレ。ありがとうカンテレ。
回し者じゃないですが、もはや回し者になりたくなった。
カンテレ、ずっと付いてきます!!!!!